第94号
2026-06-16
意見表明と私たちの取り組み
令和4年の児童福祉法改正により、児童相談所などで子どもの意見聴取等措置(第33条の3の3)や子どもの意見表明等支援事業(第6条の3の17)などが盛り込まれました。
埼玉県でもこの流れを受け、昨年度から一時保護所で生活する子どもの意見を聴く機会が設けられるようになりました。
意見表明は、「児童の権利に関する条約12条」の理念も踏まえて、児童福祉法の第2条においては、「児童の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮される」と規定されています。
子どもの意見を聴くということは、子どもの声を聴くことでもあります。その声を聴くのに、埼玉育児院では月に1回は家ごとに「子ども会議」を行っています。子どもの声を聴きながら、子どもと共に生活つくりを行っています。必要に応じて個別に話を聴く機会もあります。
生活の中で、課題や問題が出てくれば、話し合って解決していくということが行われます。これは埼玉育児院がこれまで大切にしてきた方針でもあります。「話し合い」のっ文化はしっかりと施設に根付いていると思います。それは、当事者にとって問題と思われることも、話し合うことで解決に向かいうということでもあります。つまり、話し合うことが解決に向かうための力となるのです。
困った時には、子どもは大人を頼っていいのです。でも誰かに頼って解決できるよりも自分の力で解決できることの方が望ましいです。子ども達にも是非とも「話し合って解決を目指す力」を身につけて欲しいと願っています。
話し合いに必要な力の中心は「意見を表明する力」でしょう。子どもの権利条約の理念と児童福祉法の趣旨を踏まえ、子どもの意見が尊重される場をつくることは大人の責務です。子ども達が健全に、正しく意見を表明できるような環境を整えて行くことが大人に求められています。
「子どもの声を聴く」という姿勢を忘れずに、「意見表明」を意識しながら、この暑い夏を乗り切っていきたいと思います。
施設長 藤井美憲

